ロック(HR/HM、プログレ)の名盤、名曲紹介ブログです。 選バンド眼に少々の癖あり。つまり、マイナー中心です。
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Author:仁井田
えー、有言不実行、四六時中変わり続けるポリシーが特徴の、アメーバーみたいにとらえどころのない人間です。
どうかどなたか、氷の中にでも閉じ込めてやってください。

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2008.10.14 Tue
HUMBLE PIE / SMOKIN'
 さっきまでずっと聴いていたのが、HUMBLE PIEのこのアルバム。携帯音楽プレーヤーをシャッフルしていたらたまたまこのアルバムの曲に当たって、それでシャッフルを解除して全部聴いてしまった。やっぱりスティーヴ・マリオットのヴォーカルは素晴らしい。そのパワフルでソウルフルな歌声は、絶対に聞き流しを許してくれない。

Smokin'Smokin'
(1990/10/25)
Humble Pie

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 けれど、こうして聴いてみると、実は演奏だってメチャクチャかっこよかったりする。何をやってもヘヴィになってしまう緻密な演奏は、ブリティッシュならではだし、それにこのアルバム、意外にハードロックだ。"C'mon Everybody"のギターリフなんか、象の行進かというぐらいヘヴィだし、"I Wonder"みたいなブルースロックもひたすら熱い演奏で魅せてくれる。"Sweet Peace and Time"の暴れ具合に至っては、ハードロックだと思わなかった自分にあきれて物も言えなくなる。
 ただ、それは演奏に注目が行かなくなるぐらいに、ヴォーカルオリエンテッドな作品だってことでもあると思う。それほどこのヴォーカルは凄い。ソウルを歌う黒人にも負けないパワーがあるし、掠れた声質も魅力的だし、独特の節回しもカッコいい。搾り出すような高音、ダーティな低音、そして何よりソウルフル。そのあまりに個性的な歌声に、このバンドをアメリカ出身だと思っていた私はさすがに大バカ、弁解の余地なしだけど(なんか、ソウルってアメリカのイメージがあるでしょ?)
「SMOKIN'」というアルバムタイトルが持つ不健康な響きも、なんだか良いね。確かにこの音はきれいなところで健やかに呼吸している音じゃない。息を吸うたびにタバコの煙が肺に入ってくるような、不健康な場所こそお似合いだ。そしてそういう場所が似合うロックってことは、一番カッコいい類のロックってことなんだよなあ。

 一番好きな曲は"The Fixer"。どの曲も素晴らしいんだけど、中でも一番、とにかくカッコいいとしか言いようのない1曲。これだけは、いつ聴いてもしびれるよなあ。



 でも、そっちは見つからなかったから、オープニングの"Hot 'n' Nasty"を貼っておく。でも、これもカッコいい曲ですよ。

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2008.10.13 Mon
GRAND FUNK RAILROAD / LIVE ALBUM
 音楽シーンは意外と進歩していない。いきなり何を言い出すのかと言われそうだけれど、そういう主張をする人は少なくないし、それを裏付けるアルバムも沢山あったりする。特に70年代は、今聴いても目から鱗という作品が少なくない。だから、70年代と比べて後の時代の方が優れているなんてことは、全く言えないわけだ。
 例えば、ハードロックシーンでは80年代、パンクのフィルターを通過してヘヴィメタルとなることで、従来よりも激しい音を出すようになった、なんてことを言われたりするけれど、じゃあ70年代のハードロックシーンが激しさにおいて80年代に劣るのかというと、それだってあながちそうも言い切れなかったりする。

Live AlbumLive Album
(2002/08/10)
Grand Funk Railroad

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 このアルバムなんかも、ちょっと信じられないぐらいド激しいアルバム。GRAND FUNK RAILROADはアメリカのツェッペリンと評されたこともあって、スタジオ盤でも当時にしては異色の激しさを出していたバンドなんだけど、それでもそのライブってだけで、こうまで激しくなるとは思わなかった。録音された音を聴くだけでも、理性がぶっ飛ぶぐらい激しいんだから、当時のライブは本当に凄かったんだろうなあ。
 とにかく、メンバー全員好き放題に暴れる暴れる。ギター、ベース、ドラムが一歩も引かず、あわよくば前へ出てやろうとたくらんでいる。そんなものだから、楽器隊はまるで取っ組み合いの喧嘩みたいに、やたらとぶつかり合う。オープニング"Are You Ready"なんて、ブルドーザーが突進してくるかのような迫力だ。10分を超える曲もこの時期のライブらしくあるけれど、暴れ倒して10分だから、本当にたまらない。
 もう音は割れてガキガキバキバキ言ってるし、演奏もやたらと突っ走っているし、パワーだけで押し切ってしまうかのようなアルバムなんだけど、そうしたストレートさがかえって時代性を超越していて、今聴いてもちっとも古臭く聴こえなかったりする。こんな音があるから、「ハードロックシーンでは80年代、パンクのフィルターを通過してヘヴィメタルとなることで、従来よりも激しい音を出すようになった」なんてのは、お笑い種としか思えないんだよね。本当に、どこが? って感じだよ。だってこれ、下手なヘヴィメタルなんて軽く超えているからね。とにかくもう、凄いとしかいえない。

 この1曲! ってのはなかなか難しい。ライブアルバムだしね。でも、無理に選ぶとしたら、ラストの12分にも及ぶ"Into the Sun"かな。イントロは妙にのどかな曲だけど、歌が入ってからの狂いっぷりは凄い。ギターソロもギターソロなんだかベースソロなんだかわからないし、ドラムも後ろでやたらうるさい。こんなに攻撃的なトリオが他にあるか、いやない、という曲だ。



 一番近い時期のライブ映像。これでも十分パワフルだけど、ライブ盤ではもっともっとブチ切れてます。

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2008.10.13 Mon
BAKER GURVITZ ARMY / ELYSIAN ENCOUNTER
 BAKER GURVITZ ARMY2連発。実を言うと、前作のこのアルバムの2枚、それからGUNしか、ガーヴィッツ兄弟関連の物は持っていないのだけど、その3枚の中でもトップクラスにカッコいいのがこのアルバムだ。他のアルバムを聴いていないからガーヴィッツ兄弟のディスコグラフィーの中でどのくらいの位置にあるのかは全くわからないけれど、このアルバムで十分当時のブリティッシュロックの最高峰という感じがするから、もしもっと優れたアルバムがあるんだったら、この兄弟は本当に化け物だ。つくづくマイナーなのが惜しまれる。

天上の戦い(紙ジャケット仕様)天上の戦い(紙ジャケット仕様)
(2005/12/20)
ベイカー・ガーヴィッツ・アーミー

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 今こうしてジャケットを眺めていると、なんとなく売れなかった理由が頭をよぎらないことも無いけれど、まあ当時のジャケットなんてこんなもんだし、やっぱりこれだけ売れなかったってのは不思議でならない。前作以上にストレートなかっこ良さを体現していて、ここまでくれば、もうどこに非を打てようかというもの。ヴォーカルを正式に迎えたことで、垢抜けた感じもあるし、エイドリアン・ガーヴィッツが前作以上に弾きまくっているのも嬉しい。
 楽曲はよりメロディアスにゴージャスになり、そのスペクタクルはハリウッド映画のアクションシーンに匹敵する(とは言い過ぎか)。とにかくもう、理屈ぬきにやたらめったらカッコいいのがこのアルバムだ。これと比べてしまえば、GUNはまだまだ古臭いところがあるように思えるし、前作はまだまだブリティッシュロックの地味なところが出てしまっているように思える。ところがこいつは、オープニングからパーンッと弾けてしまって、もうリスナーを煽る煽る。ベテランジンジャー・ベイカーも、風格など犬にでも食わせといわんばかりの暴れっぷりだ。
 本当にこのアルバムだけは、いつ聴いても、口をポカンと開けて音に飲み込まれてしまう。ぐうの音も出ないとはまさにこのアルバムのことを言うのだろう。あくまで個人的な意見だけれど、ブリティッシュロックのかっこよさが何かというのを、ZEPよりもPURPLEよりも明確に伝えてくれるアルバムなんじゃないかな。ZEPよりPURPLEよりずっとカッコいいじゃん! と個人的に思うだけなんだけど。

 一番好きなのは、オープニングの"People"。これには本当にしびれたねえ。全ての音が渾然一体となって眼前に迫り来るかっこよさ。どこがどうこうというのじゃなく、全ての音がいちいちカッコいい。これはもう、聴いてもらわなきゃ、説明の仕様がないね。


 でも、やっぱり動画は無いんだなあ。勿体無いというかなんというか。カッコいい! といっても、誰も聴けない→レコードのマニア需要が高まる→ますます一般人から遠のく、という負のスパイラルに陥っているような気もするぞ。

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2008.10.13 Mon
BAKER GURVITZ ARMY / SAME
 69年、GUNというバンドでデビューしたガーヴィッツ兄弟。そのプログレッシブでハードな音楽性は、その衝撃度を以ってしてZEPやPURPLEを超えたと評する人間もいるぐらいで、当時の音楽シーンにかなりの影響を与えたみたい。勿論そういうアルバムだけあって、そこそこロックに詳しい人間の間では、GUNのファーストアルバムは、今でも伝説のアルバムとしてたびたび俎上にあがる。
 ただ、そのガーヴィッツ兄弟のその後については、あまり注目されることは無いみたい。アルバムがあまりに入手困難だってことも関係しているんだろうけど、そもそも入手困難になるってこと自体、当時から注目されていなかったということでもあるわけで。実はその後、THREE MAN ARMYなんてバンドを結成しているんだけど、これは私もアルバムを見かけたことすら無い。聞く所によると、かなり骨太のハードロックらしいけど。
 そのTHREE MAN ARMYは結局、アルバム3枚で解散。そしてその後にくっついてきたのが、なんと元クリームのジンジャー・ベイカー。74年のことだ。方やハードロックの新時代を築いた兄弟、方やブルースロックの一つの頂点を極め、一人の大スターまで生み出したバンドのメンバー、ましてジンジャー・ベイカーは当時まだまだ時の人、こんな豪華な面子が売れないわけがないのだけれど、どういうわけか売れなかった。

進撃(紙ジャケット仕様)進撃(紙ジャケット仕様)
(2005/12/20)
ベイカー・ガーヴィッツ・アーミー

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 このファーストも、こうして国内盤は紙ジャケットで復刻されているものの、輸入盤は廃盤状態が続いている。再評価の温かい手も差し伸べられないのは、最早ガーヴィッツ兄弟の呪いといってもいいんじゃないだろうか。どうやら最近、唯一成功したGUNすら廃盤になりつつあるみたいだし。言っておくけれど、決して内容が悪いなんてことは無い。悪ければ紹介だってしない。けれど、世間の評価はいつまで経ってもB級なのだ。
 全く解せない。ジンジャー・ベイカーはこれでもか、というぐらいに音を詰め込むようなドラミングで魅せてくれるし、エイドリアン・ガーヴィッツの派手さは無いけどツボを押さえたギタープレイも耳に心地よい。
 オープニング"Help Me"の疾走感も文句なしにかっこよく、続くインスト"Love Is"の緊張感溢れるプレイはブリティッシュの矜持が溢れる名演だ。"Memory Lane"のヘヴィなギターリフとドタバタ叩きまくるドラムが与えてくれるカタルシスも素晴らしい。そんな動の曲の中にあって、"I Wanna Live Again"は実に美しいバラードで、うっとりさせてくれる。
 楽曲も演奏も申し分なしだ。本当に、全く解せない。あまりにもやることなすことうまくいかなかったエイドリアン・ガーヴィッツはその後AOR路線に転向し、そこでヒットを生み、安住の地を見出す代わりに、多くのロックファンにそっぽを向かれることになるのだけれど、それは結果であって原因じゃないしなあ。売れる理由は幾らでもあるのに、売れなかった理由が殆どわからない、なのに売れなかったという、本当に不思議なバンド(……というか兄弟)だ。ただ、アルバムが入手困難というのはあまりに勿体無いので、せめて再評価の手ぐらいは差し伸べて欲しい。そうしないと浮かばれないし、大体俺だってまだ持っていないアルバムが沢山あるのだ。とっとと全部復刻してくれ。

 1番好きなのは、オープニングの"Help Me"。大仰なイントロダクションから一気に疾走パートに雪崩れ込むところなんか、ストレートにカッコいいし、何よりドラムがやたらめったら叩きまくりで、それが本当に気持ちいい。でも、ジンジャー・ベイカーってこんなに軽快に叩きまくる人だったかなあ。クリームでも手数は多いと思ったけど、こんな跳ねるようなリズムを叩きまくる人ってイメージは全然無いから、なんか別の人のドラムを聴いてるみたいな気分。


 Youtubeの動画は探してみたんだけど、見つからなかった。この辺からもあまりに人気が無いってのがよくわかるね。70年代のマイナーなヨーロピアンプログレですら動画は見つかるもんなのに、それにすらも劣るのか。

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2008.10.12 Sun
人間椅子 / 無限の住人
 人間椅子は、和製BLACK SABBATHと聞いて、すぐに手を出してみたバンドだった。最初に聴いたのは「怪人二十面相」で、とことんハマった。日本人らしからぬグルーヴ、日本人丸出しのメロディ。日本的なものを下手に西洋化させず、西洋のパッケージに強引に押し込める。それが実は決して不自然ではないということを発見し、実行までしてしまった彼らは天才じゃないだろうか。ギタリストの和嶋さんもラジオで「僕としては洋楽をやっているつもり」と発言していたみたいだけど、確かに音は洋楽なのだ。それなのに、なぜか津軽なのだ。両者が平等に主張しあっていて、少しも衝突しないのだ。この驚きは是非聴いて体験して欲しいなあ。とにかくわざとらしさがないのだから。

無限の住人無限の住人
(2008/09/17)
イメージ・アルバム人間椅子

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 ただ、今日紹介するこのアルバムはちょっと毛色が違う。時代劇漫画のイメージアルバムとして製作された背景もあってか、いつもよりもずっと日本らしさを意識したようだ。このアルバム限っては、日本風>津軽風だし。数曲ちょっとやりすぎて、ギャグっぽくなってる気がしないでもないけど。ただ、ヘヴィさといい、曲の充実度といい、バンドのディスコグラフィでもかなり上位に来る作品であるのは間違いなく、その上日本色豊かなのだから、バンドのカラーを伝える入門作品としては申し分ないように思うのだ。
 このバンドらしいメロディが生きたオープニングの"晒し首"、時代劇風の叙情性溢れるタイトル曲、ストレートなスラッシュチューンの"鬼"、酔っ払いの千鳥足のようなメインリフとスラッシュ風リフとの対比が素晴らしい"莫迦酔狂ひ"。どの曲も本当に素晴らしいけれど、特に凄いのは"黒猫"。高い演奏力が生み出す緊張感と、緻密に計算された構成が、8分という長丁場を一気に聴かせる。なんかもう、ギターは大鎌でも振り回すかのように暴れているし、ベースは地獄の鬼のように唸っているし、そんなのがミドルテンポでもアップテンポでも狂ったように絡み合うのだから、本当にたまらない。サバス風のギターソロで怪しさを振りまいての幕引きも完璧だ。
 ただ、あんまり真面目に日本風一辺倒にしてしまうのも、少し照れくさかったのかなあ。9曲目に"宇宙遊泳"なんて曲が入っているのが、なんだかお茶目で微笑ましい。とはいえこの曲、スペーシーな広がりを持ち、且つサイケデリックななかなかの曲。浮いてる曲でも気は抜かない、そんなところにバンドの曲に対するこだわりが垣間見える(というのは無理して褒めすぎかな)。
 ところでこのアルバム、実は長い間廃盤だった。つい先日、原作のアニメ化に伴って再発されたから、今は買えるけど。でも、一度廃盤になったということ、それから長い間再発されなかったということ、もう一つ人間椅子の他のアルバムは全部手に入る状態だったこと、その辺を考えると、このレーベルがまた追加プレスを出す可能性は低いだろう。だから、興味のある人は早めに買った方が良いんじゃないかと思う。

 このアルバムから1曲選ぶといったら、やっぱり黒猫だろうね。ファンにとっても、バンドのレパートリー中トップクラスの名曲だろうし。このバンドの良さが全部出ている曲だからね。曲全部が鳥肌ポイント、フックの塊みたいな曲だもんね。逆に言うと、これが肌に合わない人は、このバンドの曲は全部ダメだよ、という試金石みたいな曲かもしれないな。



 恐らく無限の住人ツアーからの動画。ドラムがアルバムの土屋巌ではなく、後藤マスヒロに代わっている。言っちゃ悪いけど、アルバム版よりずっと強力なテイクだ。

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